いつ磨くの?食後のいまでしょ!

筑紫野市 歯医者 歯科医院 内田歯科医院です。

患者さまから次のような相談がありました。

食事の後、すぐに歯を磨くのは良くないのですか?
私は、歯間に食べ物が詰まったままが気になるので、すぐに磨くのですが、食後30分は歯に膜ができるから磨かない方が良いと聞いたので、どうしたものかと悩んでいます。

『食後すぐの歯磨きはNG』という認識が広まったのは、2010年9月のNHK『ためしてガッテン』の影響が大きいです。
食べ物の酸によって唾液の中和が起き、歯の外側にあるエナメル質が一時的に柔らかくなる。
それが再び硬くなるのに約30分かかる。という海外の研究結果を根拠に、食後すぐに歯を磨くとエナメル質が傷ついて削れてしまい虫歯になりやすくなるという説です。

日本小児歯科学会では2012年にホームページで、この説は普通の食生活をしている人には当てはまりにくい現象で『30分経ってから』など気にする必要はなく、むしろ食後は早めに歯を磨いた方がいいと注意を促しました。
この海外の研究では、抜歯した歯を90秒間、炭酸飲料のスプライトにつけて、その後、人の口の中に戻して、その変化を調べるものでした。

普通の食事の後、すぐに歯磨きをしても歯のエナメル質が削れてしまう可能性はほとんどないため、歯磨きをしない場合の細菌の繁殖の方が、よほど悪い影響を与えます。歯垢の中の細菌によって糖質が分解され酸ができてしまい、歯が溶け出してしまいます(脱灰)。わざと歯磨きを遅らすことで、かえって多くの酸を作り出してしまうのです。例外は、サイダーやコーラなどの炭酸飲料、ワイン、レモンやオレンジなどの柑橘類を口に含んだ後は一時的に歯が傷つきやすくなるため、水や緑茶で口をすすぐ程度にとどめておいた方が良いようです。

では、正しい歯磨きのタイミングは?
朝は朝食前。就寝中は唾液が減り、口内で細菌が繁殖しています。綺麗にしておかないと朝食と一緒に細菌を体内に取り込むことになります。食後はすぐに磨きましょう。もし磨けない場合でも、口を水やお茶でゆすぐだけでも全然違います。就寝前の歯磨きは、一番大事です。虫歯のリスクが、最も高まるのは就寝中です。寝ている間に増殖した細菌は、虫歯や歯周病の進行を促します。夜はできるだけ丁寧にゆっくり歯磨きをして細菌の数を減らしておくことが大切です。

長年定期健診にみえているご夫婦がいらっしゃいます。最近ご主人の歯の状態がとても良くなりました。定年になり、ゆっくり歯を磨く余裕ができたからだろう。と嬉しそうでした。
ブラッシングの方法や歯ブラシ、歯磨き粉は、個人個人それぞれ違います。健診や治療の際に遠慮なくご相談ください。