口内炎と口腔がんの違い

口腔がんというと、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。「口の中にがんなんてできるの?」と言う方もいらっしゃるでしょう。舌、歯茎、上あごなど粘膜のあるところならどこでも、がんはできます。全がんのうち口腔がんの占める割合は、2%。そのうち、頭頸部(脳より下、鎖骨より上)のがんは40%。さらに口腔がんのうち約60%が舌がんです。

口腔がんは、目に見える部位であることや痛みや違和感などの自覚症状がでやすい部位ですので、比較的早期発見しやすいがんと言えます。また、口腔がんのうち5年生存率は、70%~80%です。比較的予後が良いと言われる胃がんの5年生存率が、60%~70%ですので、それと比べても口腔がんの予後は比較的良好です。

そんな口腔がんですが、早期発見は患者全体の20%でしかありません。口腔がんの初期症状が、口内炎や歯肉炎と似ているので、気づかずに何か月も放置したり、来院を先延ばしにしていると、治療が少しずつ難しくなってきます。

例えば、ステージIの早期がんであれば90%の5年生存率ですが、ステージIVまでなりますと40%前後に落ち込みます。口腔がんの転移の代表的な部位が顎のリンパ節と肺です。

口内炎と口腔がんの違いは、痛みの有無や種類では判断は難しいです。口内炎は1~2週間。長くても、1ヶ月で治ることが多いですし、さらに別の部位にでてくることもあります。一方、口腔がんであれば治ることはありません。むしろ徐々に悪くなっていきます。その他に、出血や潰瘍、周囲や口内炎の部位が触ると固いなどがありますが、患者さまご自身では判断が難しいでしょう。

当医院では、月1回土曜日、九州大学口腔外科専門医で、がん治療認定医の先生の診療日があります。もし、口の中で何かおかしいと感じられることがありましたら、早めの受診をおすすめします。