筑紫野市 歯医者 歯科医院 内田歯科医院です。
定期的に口腔ケアの訪問診療に伺っています患者さまの施設が、インフルエンザ予防で面会禁止になりました。しばらくして施設から、口内炎がひどくて痛がっていらっしゃると診察依頼がきました。入れ歯の手入れなど施設の方で丁寧にされていますので、考えられるのは唾液の減少です。こちらの認知症の患者さまは、家族の方が毎日行かれて話しかけていらっしゃいますし、ニコニコと楽しそうに笑っていらっしゃいます。でも誰も話しかけないとずーっと下を向いて座ったままです。そうなると、唾液が出にくくなります。唾液は口の中で多くの働きをしています。
1 唾液の中には、リン酸やカルシウムなど歯に欠かせないミネラル分が含まれてます。歯は食事のたびにミネラル分が溶け出してしまいますが、唾液によって再石灰化され再生されています。
2 唾液の抗菌作用により、もともと口の中に存在する歯周病菌の繁殖を抑えています。殺菌作用では口臭の原因も減らします。
3 口の中は適度な温度と湿度でカビが生えやすい状態です。唾液の抗菌作用や洗い流す作用により清潔に保たれています。唾液が減ると、カンジダ菌というカビ菌の一種が繁殖し、歯茎の痛みやピリピリ感が出やすくなります。
4 口の中の柔らかい部分(粘膜)も唾液によって保護、殺菌されています。唾液が減ると粘膜に傷がつき、口内炎ができやすくなります。
5 入れ歯は粘膜の上に乗っています。唾液が減ると粘膜が乾き、入れ歯が歯茎と擦れて痛みが出ます。入れ歯は唾液によって、くっつくようにできていますので、唾液が減ると落ちやすくなります。
唾液を増やすためには
1 歯磨きやうがいで粘膜を刺激したり、シュガーレスのガムを噛みます。
2 唾液腺マッサージや舌の体操
図のように 耳下腺、顎下腺、舌下腺という3つの唾液腺があります。
耳周辺や顎の下を痛くない程度に指圧したり、軽く円を描くようにマッサージします。また、舌をべーっと出したり、引っ込めたり。頬の内側を舌で伸ばすように右左に動かします。
3 声を出すことでも舌と頬の筋肉が動くので唾液腺を刺激します。
テレビでもよく取り上げられます『あいうべ体操』大きく「あ-」「い-」「う-」と口を動かし、最後の「ベ-」は舌をなるべく下方向に出すようにします。これは口周りのたるみやほうれい線予防にも効果があるそうです。