筑紫野市 歯科医院 痛みの少ない 歯医者 内田歯科医院
訪問歯科診療部 2021年3月のコラム
お口の健康、気をつけていますか?
『オーラルフレイル』という言葉をお聞きになったことはありますか?
フレイル(=虚弱)とは身体の衰えのことを意味し、オーラル(=口)フレイル(=虚弱)とは口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどが口腔機能の低下、心身機能の低下を引き起こす現象やその過程のことを意味します。
オーラルフレイルは大きく4つの段階に分けられます。
- 口の健康への意識の低下
自発性の低下→不十分な口腔健康への関心→歯の喪失リスクの増加
- 口のささいなトラブルの連鎖
滑舌低下、食べこぼし、噛めない食品の増加、むせ→食品多様性の低下、食欲低下
- 口の機能の低下
口腔不潔・乾燥、咬合力低下、口唇・舌の機能低下、咀嚼機能・嚥下(えんげ)機能低下→低栄養
- 食べる機能の低下
咀嚼障害、摂食嚥下障害→栄養障害、運動障害、要介護状態
オーラルフレイルは①→②→③→④ と進んでいき、④の状態になると、いわゆる摂食機能障害の状態となり、お食事をすること自体がままならない状態となってしまいます。
ただ、③の状態までは可逆性であると言われています。つまり適切な対処を行えば、③の状態から①の状態へ回復させることができるということです。一般的な対応としては以下の通りです。
①口の健康への意識の低下への対応
フレイル予防を目的とした普及啓蒙活動や運動・栄養・口腔等の健康教育、健康相談への参加
②口のささいなトラブルの連鎖への対応
地域保健事業、介護予防事業への参加
③口の機能の低下への対応
地域の歯科診療所への受診
④食べる機能の低下への対応
専門知識をもつ医師・歯科医師への受診
この中で、ご自身や、ご家族がオーラルフレイルかもしれない…と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。それでも、前述のとおりオーラルフレイルは対応次第で健康な状態に近づけることができます。①②の場合はご自身での予防が重要となりますが、③④では医科や歯科への受診が必要となります。特に③の場合は早期に対処することで、②→①へと回復できる可能性がありますので早めの受診をお勧めします。
(訪問歯科担当医 直江 美雪) 訪問歯科専用窓口 080-7813-3617